夜を往(ゆ)け

中島みゆき( MIYUKI NAKAJIMA ) 夜を往(ゆ)け歌詞
1.夜を往け

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

追いつけないスピードで走り去るワゴンの窓に
憧れもチャンスも載っていたような気がした
あれ以来眠れない 何かに急かされて
走らずにいられない 行方も知れず
夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け

砂の風吹きすさぶ乾いた道端にたたずんで
親指を立てながら待ちわびるだけだった昨日
憐れみのドアが開く車を見送って
ナイトニュースを聴くだけの昨日を捨てて
夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け

遠ざかる街の灯はまるであの日の夢のようだ
恋人よ あの愛と比べるものがあり得たのか
蒼ざめた微笑みが瞼をよぎる
出まかせのなぐさめが心をなぶる
夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け

なにも見えない夜の彼方からむせび泣く口笛が聴こえないか
忘れられない夢のカケラが数えきれない星くずを鏤める
夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け
夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け


2.ふたつの炎

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

みつめあうことだけが大切なことじゃないと
あなたは首すじから私の腕をほどく
むさぼり合った季節は過ぎて
信じ合える時が来たんだと
あなただけが大人になったように私を諭す

ふたつの炎が同じ速さで燃えはしない
いつまでひとつが哀しく燃え続けて

ほどける糸のように今 愛が終わってゆく
憎み合うこともなくただ愛が終わってゆく
不思議だった女が消えて
届かなかった女が消えて
すがるだけの追わなくても手に入る女になった

ふたつの炎が同じ速さで燃えはしない
いつまでひとつが哀しく燃え続けていても

ふたつの炎が同じ速さで燃えはしない
いつまでひとつが哀しく燃え続けていても


3.3分後に捨ててもいい

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

3分後に捨ててもいいよ 通りがかりゆきがかり
知らない話にうなずいて 少しだけ傍にいて
身代わりなんかじゃないけどさ 似てる人を知ってるわ
恋と寂しさの違いなど誰がわかるのかしら

※あぁ 流れてゆく車のヘッドライトは天の川
あぁ 流れてゆく人の心も天の川
3分後に捨ててもいいから いまだけ傍にいて※

コンパクトに映して見れば 時計はみんな昔回り
二度と戻らない人ばかり 浮かんでは消えてゆく

ねぇ 子供の頃あたし星を見てるのが好きだった
ねぇ 子供の頃あんたどんなふうだったの
3分後に捨ててもいいから いまだけ傍にいて

こんなビルの隙間にも 白いカモメが飛んでいる
紙きれみたいな人生が ねぐら探している

(※くり返し×2)


4.あした

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

イヤリングを外して 綺麗じゃなくなっても
まだ私のことを見失ってしまわないでね
フリルのシャツを脱いで やせっぽちになっても
まだ私のことを見失ってしまわないでね
カーラジオが嵐を告げている
2人は黙りこんでいる
形のないものに 誰が
愛なんて つけたのだろう 教えてよ

※もしも明日 私たちが何もかも失くして
ただの心しか持たないやせた猫になっても
もしも明日 あなたのため何の得もなくても
言えるならその時 愛を聞かせて※

抱きしめれば2人は なお遠くなるみたい
許し合えば2人は なおわからなくなるみたいだ
ガラスならあなたの手の中で壊れたい
ナイフならあなたを傷つけながら折れてしまいたい
何もかも愛を追い越してく
どしゃ降りの一車線の人生
凍えながら2人共が
2人分傷ついている 教えてよ

(※くり返し)

何もかも愛を追い越してく
どしゃ降りの一車線の人生
凍えながら2人共が
2人分傷ついている 教えてよ

(※くり返し)


5.新曾根崎心中

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

無駄だとわかってやめられるのなら
恋わずらいとは呼ばないのよ、ボク
夢だとわかって目が醒めないから
夢中と呼ぶのよ 覚えときなさい

二人きりにしてください
二人きりでしかできないことがあるから

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくず

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくずね

枕もおよばぬ絆の脆さ
義理でもふりでも愛よりは確か
肌身に離さぬおまえの気配
恩より親よりおまえが恋し

二人手をとって行こうか
二人きりでしか行けない憂き世の浄土、さァ

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくず

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくずね

二人手をとって行こうか
二人きりでしか行けない憂き世の浄土、さァ

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくず

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくず

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくず

親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで
ただ愛のもくずね


6.君の昔を

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

君の昔を誰にもらおう 言葉途切れるこの夕暮れに
君はうなじを頑なにして 過ぎた景色に戸を閉ざす
戻れるものなら戻りたいですか
必ずそらす話が きまってあるよね
今も誰かと比べてるみたい
妬んでいる 君と会って君を去った古い仲間を
妬んでいる 君を愛し君を去った古い女を
妬んでいる

君の昔は君に優しい 他人(ひと)を寄せずに君に優しい
君の隣は夢でふさがり 風は私の上に吹く
サヨナラ私は 今日という日だって
悪くはないよって言いたかっただけだよ
いつも誰かと比べていたね
妬んでいる 君と会って君を去った古い仲間を
妬んでいる 君を愛し君を去った古い女を
妬んでいる

いつも誰かと比べていたね
妬んでいる 君と会って君を去った古い仲間を
妬んでいる 君を愛し君を去った古い女を
妬んでいる 君と会って君を去った古い仲間を
妬んでいる 君を愛し君を去った古い女を
妬んでいる


7.遠雷

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

「このままでいいじゃないか」 あなたの煙草
切り札を躱されて 私の煙草
唇で溶けあって そこからMidnight

こぼれるのはため息ばかりの遠雷の夜
答などを求めないそんな女はいないわ
あぁ 今夜もほだされて舞い戻る腕の中
せつなく乱されて遠ざかる雨の音

後ろ手の置き手紙 ちぎれてMidnight
もう一夜 なりゆきにまかせてMidnight

これ以上は望み過ぎなのね 遠雷の夜
いとしさがきわまって何かしでかしそうなのに
あぁ今夜もほだされて舞い戻る腕の中
せつなく乱されて遠ざかる雨の音

ガレージの車には違う口紅がある
見ないふりするのもこれまでよ 言いかけたのに
あぁ今夜もほだされて舞い戻る腕の中
せつなく乱されて遠ざかる雨の音
あぁ今夜もほだされて舞い戻る腕の中
せつなく乱されて遠ざかる雨の音


8.ふたりは


9.北の国の習い

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

離婚の数では日本一だってさ 大きな声じゃ言えないけどね
しかも女から口火を切ってひとりぽっちの道を選ぶよ
北の国の女は耐えないからね 我慢強いのはむしろ南の女さ

※待っても春など来るもんか
見捨てて歩き出すのが習わしさ
北の国の女にゃ気をつけな
待っても春など来るもんか
見捨てて歩き出すのが習わしさ
北の国の女にゃ気をつけな※

吹雪の夜に白い山を越えてみようよ あんたの自慢の洒落た車で
凍るカーブは鏡のように気取り忘れた顔を映し出す
立ち往生の吹きだまり凍って死ぬかい

それとも排気ガスで眠って死ぬかい

(※くり返し)

待っても春など来るもんか
見捨てて歩き出すのが習わしさ

待っても春など来るもんか
見捨てて歩き出すのが習わしさ
北の国の女にゃ気をつけな


10.with

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

僕のことばは意味をなさない
まるで遠い砂漠を旅してるみたいだね
ドアのあかないガラスの城で
みんな戦争の仕度を続けてる

旅をすること自体おりようとは思わない
手帳にはいつも旅立ちとメモしてある
けれど

※with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
with…※

生まれる前に僕は夢みた
誰が僕と寒さを分かちあってゆくだろう
時の流れは僕に教えた
みんな自分のことで 忙しいと

誰だって旅くらいひとりでもできるさ
でも、ひとりきり泣けても
ひとりきり笑うことはできない

(※くり返し)

僕のことばは意味をなさない
まるで遠い砂漠を旅してるみたいだね
けれど
with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに

(※くり返し)